ストップ ザ 結核
結核ってどんな病気?
こうして結核がうつります
結核は、結核患者がせきやくしゃみをした時に飛び散るしぶきの中の結核菌を吸い込むこ とによってうつり(感染し)ます。
しぶきの中の結核菌は、早く吸い込まれないと日光の中の紫外線に殺されます。ですから、結核は、結核患者のそばにいる人(家族や親しい友人)にうつりやすいのです。
結核を発病すると
結核に感染しても、普段は免疫の働きで発病を防ぎ、感染した人で一生のうちに発病するのは10人に1人程度と言われています。
感染して1~2年で発病する場合と、何年もたって体が弱ってきた時に、眠っていた結核菌が目を覚まし発病する場合があります。無理なダイエットや不規則な生活、また、高齢や糖尿病などで免疫力が弱まっているときは発病しやすくなります。発病すると肺は炎症を起こし、ひどくなると組織が死んで空洞ができ、菌はどんどん増殖します。
危険信号を見逃さないで
最初のうちかぜと同じような症状ですが、2週間以上も微熱やせき、たんが止まらない時は危険信号。症状が進むと全身が倦怠感(だるさ)に襲われたり、寝汗、胸の痛みなどがでたり、血痰や喀血することもあります。
結核菌がしのびよる!!
発病した人の約半数になんらかのリスク要因が
糖尿病や人工透析、大きな手術などで体力が弱ってくると(リスクを負うと)、今まで感染しても発病していなかった既感染者の体内で眠っていた結核菌が目をさまし、発病するケースが全患者の48%も占めています。
高齢者がねらわれています!
年齢階級別の結核罹患率の推移のなかで、60歳以上を細分してみると、特に70歳以上の各階層ではっきり上昇傾向に転じています。高齢者人口の増加とともに、新たに発生する患者の中に高齢者の占める割合がますます大きくなってきます。
薬をきちんと飲めば治ります
結核の治療は、昔はよい薬がなかったので長期の入院が必要でしたが、現在は10種類の有効な抗結核薬があるので、3~4種類の薬を6~9ヶ月服用することで、短期間に治すことができるようになりました。しかし怖いのは、途中で飲むのをやめてしまい、多剤耐性菌を生み出すことです。この菌はすくなくとも2種類の代表的な薬が役に立たなくなるため、結核の進行をくいとめることができなくなり、設備の整った病院で専門の医師による治療が必要となります。結核と診断されたら、最後まで薬を飲み続けましょう。
結核に負けないために
結核に負けないための3ヶ条
その1
抵抗力のない赤ちゃんは、感染すると結核性髄膜炎や粟粒(ぞくりゅう)結核といった命にかかわる重症の結核を発病しやすく、後遺症も深刻なので生後できるだけ早い時期にBCG接種を受けましょう。接種を受けることにより、かなりの確立で発病を防げます。その2
その3
きちんと検診を受けていれば、万が一結核を発病しても早い段階で分かるので、入院しなくても治療ができます。
年を取ればそれだけ免疫力は低下します。症状が現れたら早めに専門医の診察を受けることが重要です。