TSEスクリーニング検査

牛海綿状脳症(BSE)とは

BSEはTSE(伝達性海綿状脳症;Transmissible Spongiform Encephalopathy)という病気のひとつです。牛の脳の組織にスポンジ状の変化を起こし、異常な行動や起立不能等の症状を呈する病気です。

原因

異常プリオン蛋白(正常プリオン蛋白の立体構造が異常化したもの)

症状

2年以上の長い潜伏期を経て、行動異常、運動失調などの神経症状を呈し、発病後2週間から6ヶ月の経過で死に至ります。中枢神経(特に延髄)の神経細胞に空砲を形成します。

発生状況

BSEは1986年英国において最初の発生が報告され、1992年から93年に発生数はピークとなりました。その後EU諸国でも発生がみとめられました。日本においては2001年(平成13年)9月に初めて感染牛が確認され、同年10月18日から現在の検査体制がスタートしました。

TSEスクリーニング検査

検査員

と畜検査員(獣医師)と臨床検査技師が実施しています。

内容

・材料:延髄閂(かんぬき)部(異常プリオン蛋白が蓄積される場所)
・方法:ELISA法により異常プリオン蛋白を直接検出します。この方法は異常プリオン蛋白に抗体を接着させ、その抗体を発色させることにより異常プリオン蛋白の存在を証明します。正常プリオン蛋白は蛋白分解酵素で分解されるのに対し、異常プリオン蛋白は分解されずに残ることを利用しています。

スクリーニング検査で陽性の場合

ELISA法によるスクリーニング検査で陽性になった場合、国が指定した機関で確認検査を行います。確認検査ではウエスタンブロット法、病理組織学検査、免疫組織化学検査が行われ、陽性になると専門家による確定診断会議が開かれ、BSEの最終の診断が判定されます。
陽性と判定された牛の全ての部位は、検査員立会いのもと食肉処理場内の焼却施設で800℃以上の高温で完全に灰になるまで焼却され、同時に陽性牛と接触した恐れのある施設や機械器具は異常プリオン蛋白が不活化するまで高濃度次亜塩素酸ナトリウム等で消毒されます。

ELISAの仕組み

ELISAの仕組み

TSE検査の流れ

1.と畜場で、牛の頭部から延髄を取り出します。

延髄を採取

2.BSE検査室で、延髄閂部を一定量取ります。

検査室にて定量

3.遠心機にかけて蛋白をきれいにした後、蛋白分解酵素を加えます。

遠心分離

4.破砕機にかけた後、蛋白分解酵素を作用させて正常プリオン蛋白を分解し、サンプルにします。

破砕

酵素反応

失活

乳剤作成

5.ELISA法により異常プリオン蛋白を検出します。
プレートにサンプルを入れ、異常プリオン蛋白に対する抗体と反応させます。

ELISA-反応

さらに発色液と反応させると、異常プリオン蛋白が存在した場合に濃い黄色を呈します。
※右の写真の黄色は陽性コントロールです。

ELISA-発色

プレートリーダーにより、色の濃淡を、吸光度として測定します。

吸光度

北海道でのより詳しいBSE関連情報はこちらをご覧ください

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