斜里町農業の将来を考えるために十勝へ管外視察(清里支所)
令和6年6月23日、清里支所地域第二係の重点地区である斜里町以久科地区の若手農業者4名と普及センター4名の計8名は、複数戸法人経営と豆類の栽培技術を学ぶため、十勝方面の視察研修を開催しました。
池田町大森地区の(株)十勝六花フィールドでは、法人設立までの経緯や、苦労した事、これからの課題についてお話を伺いました。「個人でも経営は安定していたが、次の世代に地域を繋げるためには協力し合う必要があった」「お互いに不平不満が出ないよう、話し合いは十分行うべき」など、法人化に向け重要な事を学ぶことができました。
また、池田町川合地区の現地ほ場では大豆の品種比較や、小麦の栽培技術「麦なで」についてほ場を見ながら情報交換を行いました。参加した農業者は、地元では見られない農業機械や技術に興味津々の様子でした。
その後、十勝農業試験場を見学し、豆類の育種の方法や、斜里町でも栽培実績のある大豆新品種「とよまどか」、小豆の新品種「きたいろは」などについて、実物を前に、研究員の方から直接話を伺いました。「育種に10年かかるのは知らなかった」「研究員の作物にかけている熱い気持ちが伝わった」などの声が聞かれ、農業者の知見も深まりました。
斜里町の農業は1戸あたりの面積が急速に拡大しており、今後は地域で協力して経営を維持していく必要があります。参加した農業者からは「地域の将来を考えると自分の世代で直面する課題。今のうちから勉強をして備えたい」「もっと色々な地域の農業者と話してみたい」といった今後の地域づくりにも前向きな声が聞かれました。
普及センターでは今後も様々な研修会を企画し、地域農業を支援していきます。
十勝六花フィールドでは経営面のメリットや家族の出役など様々な質問が交わされました
「麦なで」実施ほ場では麦の倒れにくさを試しています
十勝農業試験場では新品種育成の方法や現在の育種目標について聞くことができました
「きたいろは」は胚軸が長いなど比較しています